債務整理

借金には時効がある?何年で条件成立?時効援用のやり方も解説

借金時効
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借金には時効があることをご存知でしょうか。債権の消滅時効は、法律で定められており、5年、10年など債権の年数経過に加えて、「時効援用」という手続きを踏めば時効が成立します。

債権の消滅時効のルールを知っていれば今後、借金の整理をする際に効率良く進められるでしょう。

しかし結論、借金の時効は成立が難しいのが現実です。理由は借金の時効年数を数える「起算点」が変更・リセットされる可能性があるからです。

当記事では、借金時効の成立条件を詳しく解説します。また、借金の時効援用手続きサポートや借金相談などを承っている弁護士・司法書士も紹介しますので、借金で悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

時効成立までの流れや、時効の手続きにかかる費用なども解説するため要チェックです。

監修者情報
*本記事は、以下の専門家によって監修されています。

涌井好文

監修者

社会保険労務士

涌井好文


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涌井社会保険労務士事務所 代表

自身が非正規雇用を経験したことから、労働者を取り巻く雇用環境に興味を持ち、社会保険労務士の資格を取得。
2014年より神奈川県で社会保険労務士として開業登録を行い、以後地域における企業の人事労務や給与計算のアドバイザーとして活動を行う。退職時のおけるトラブル相談や、転職時のアドバイスなど、労働者側からの相談にも対応し、労使双方が円滑に働ける環境作りに努めている。また、近時はインターネット上でも活発に活動しており、クラウドソーシングサイトやSNSを通した記事執筆や監修を中心に行う。
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借金の時効が成立する条件

借金 時効

借金は、当然ながら借りていた人が貸していた人に対して返済すべきものです。しかし、それには一部例外があります。

以下の条件によっては、借金の時効が成立するケースがあるためチェックしておいてください。

返済期日・最後の返済から5年または10年が経過

契約上の返済期日、または最後に借金を返済をしたときから5年または10年が経った場合は時効が成立します。

しかし、貸した側にとってメリットが無いため、存在することが不公平、あるいは納得できないという人もいるでしょう。

ポイント
借金に時効が無く返済に関するやり取りが実施されない期間が長くなると、債権者・債務者の記憶が曖昧となり、正確な元金や利息が把握できなくなってしまいかねません。

そのため、一つの区切りとして設定されているのです。

2020年3月31日以前の債権は借入先によって年数が決まる

なお、2020年3月31日の民法改正前が起算点となる債権の時効については以下のように設定されています。

借金の時効
(民法改正前:2020年3月31日以前の債権の場合)
  • 消費者金融・クレジットカード会社・銀行:5年
  • 個人間・信用金庫・奨学金:10年

返済期日が決められているかによってもカウントが異なるため要注意です。

2020年4月1日以降も5年または10年の時効期間だが年数と起算点の基準が異なる

2020年4月1日以降を起算点とする借金は、借入先を根拠とするのではなく、債権を行使できる期間を根拠に5年または10年と定めるよう民法が改正されました。

2020年4月1日以降の借金時効の起算点
  • 権利を行使できることを知ったときから5年
  • もしくは、権利を行使することができる時から10年

参考:消滅時効に関する見直し(法務省)

つまり契約に基づいて発生した債権であれば、借入先に関わらず原則5年の時効期間となりますよ。

時効援用の手続きを行っている

時効が成立するまで、ただ時間が過ぎるのを待てば良い訳ではありません。成立には一定期間の経過に加え、時効援用の手続きを完了しておく必要があります。

ポイント
時効援用とは、借りた側が貸した側に対して、時効のため借金返済はしないという意思を伝えることです。簡単に言うと、お金を返さない意思表示をすることを意味します。

代表的なものに時効援用通知書があり、債権者がと債務者の返済義務が無効となります。

つまり、手続きを完了していない場合、期間の経過に関係なく時効は完成しないのです。ただし、手続きが成立するには、さまざまな条件が必要で決して簡単ではありません。

お金を借りている側が時効の更新にあたる行為をした場合、時効期間のカウントはリセットされてしまいます。

借金の時効が更新される主なケース

借金の時効成立が難しいのは、期日から5年または10年経過するまでの間に債権者(お金を貸した側)が時効を更新(リセット)できるからです。時効更新となってしまうケースを紹介します。

債権者が返済請求手続きをする

債権者が返済請求手続きをする

返済請求手続きとは、支払い督促や和解・調停の申し立て、破産・採算・更生手続きへの参加などを指します。

そして、裁判所がお金の貸し借りに対して介入し、何らかの手続きが発生した場合も時効は更新されるのです。

このことからも、借金を返さなくても良い状態に持っていくことは極めて困難と言えるでしょう。

債権者が債務者に対し法的措置をとる

お金を借りた側が貸した側に対して、法的措置を取った場合も更新されます。ここで言う法的措置とは、以下が該当するため押さえておきましょう。

該当する法的措置
  • 債務者の財産差し押さえ
  • 仮差し押さえ
  • 仮処分

普通に考えると、借金が返済されなければ、貸主は借主に対して法的措置を講じると言えます。そのため、借金の時効を完成させることは困難です。

催告手続きをする

催告とはお金を借りた側に対して返済を求めることで、内容証明郵便などを送付することが一般的です。

催告をすると、その後の6ヶ月間に渡って時効完成までの猶予が生まれます。例えば、2022年9月で時効完成予定の場合、2022年8月に催告があれば2023年2月にならなければ時効は完成しません。

ポイント
催告による時効の完成猶予は一回しか認められないため、複数回に渡り実施しても二回目以降は効力がないです。

ただし、借金の時効が完成するのは一回目の催告以降、債権者・債務者が何もアクションを起こさない場合のみとなります。

お金を貸した側が返してもらうよう他のアクションを起こさないとは考えにくいため、一回目の催告以降においても、時効が完成する確率は決して高くないでしょう。

時効期間中に債務者が借金を認める

借りている側が借金の存在を認めることも時効が更新されてしまう1つの要因です。以下の行為は借金の存在を認める行為に該当するため、ぜひ把握しておいてください。

該当行為
  • 借金の一部または全額を返済
  • 借金を認める文書へ記名・捺印
  • 借金の返済猶予を求める言動を発する

債務の存在を認める行為により更新されるため、カウントはリセットされます。更新に回数制限は無いため、貸した側は何度でも時効の完成を阻止できるのです。

借金の時効援用に失敗した場合のリスク・デメリット

借りたお金を返さなくても良いという状況は、貸りた側にとってはメリットです。しかし、失敗した場合には以下のリスクやデメリットがあるため注意してください。

主なリスク
  • 借金を一括で返すよう求められる
  • 遅延損害金を請求される

時効は更新されることで認められない場合があります。借りた側が少額でも返した、貸した側が訴訟提起をされ判決を取られた場合などはカウントがリセットされるのです。

例えば、5年で借金の返済義務がなくなる場合に、4年目で更新に該当する事象が起こるとゼロからカウントしなければなりません。

注意点
更新され時効援用が成立していないにもかかわらず手続きを進めると、借金の一括返済や遅延損害金の請求をされてしまうリスクがあるのです。

それに応じれば借金について認めたことになるため、新たに更新されてしまいます。お金を借りている、返さなければいけないことを認めるという意味です。

したがって、その時点で借金を一括で返さなければいけない状況が発生するのはほぼ避けられません。

さらに、先延ばしにしてきた分の遅延損害金も上乗せされるため負担はかなりのものとなります。

簡単に時効が成立する訳ではなく、リスキーな手段であることを認識しておきましょう。

借金の時効が成立する流れ

1.時効期間が満了する

時効成立には、5年または10年が経っていなければなりません。さらに、この期間に更新事由が起こっていないことが求められます。

注意点
時効期間満了前に、債権回収会社や債権者からの督促に対して返済の意を伝えると意味がなくなるため注意してください。

督促が届いた際は、一旦返答を保留し弁護士に相談することも一つの手段です。

2.時効の完成を確認する

手続きに失敗すると、一括返済あるいは遅延損害金を支払うといったリスクが伴います。そのため、以下3つの方法でチェックしましょう。

消費者金融・銀行などからの通知書を確認する

消費者金融や銀行などから送付される通知書に、返済期日・最終返済日が記載されているため確認しましょう。

注意点
仮に通知書に記されていない場合、消費者金融や銀行などに問い合わせる「情報開示請求」が、債務の承認に該当する可能性があるため要注意です。

また、消費者金融や銀行だけでなく、裁判所からの通知にも注意しましょう。裁判所から支払督促があった場合、借金の時効が延長し支払督促が確定した日から10年待たなければなりません。

裁判所の通知に対応した場合も債務の承認に該当する可能性があるため、自身の判断で行動することは避けましょう。

信用情報機関から取り寄せる

消費者金融や銀行からの通知書に情報が無い場合、信用情報機関から自身の信用情報を取り寄せるという手段があります。

ポイント
信用情報機関とは、カード会社や貸金業者間で情報を共有している機関です。クレジットカードやローン滞納といった金融事故は、数年間に渡り登録され続けます。

主な信用情報機関での取り寄せについて、費用を以下にまとめているためチェックしておいてください。

なお、取り寄せる方法としてははインターネット・郵送・窓口での受け取りといった3パターンがあり、それぞれ料金が異なります。

各費用の確認はもちろんのこと、自身のライフスタイルに合った方法で取り寄せましょう。

弁護士・司法書士に確認してもらう

上記2つの方法は、あくまでも表面上のデータを確認するだけとなるため、より確実に更新事由がないことを知りたい場合は弁護士または司法書士への依頼がおすすめです。

引っ越しにより督促状を受け取っていなかった・家族が通知を処分してしまった・裁判所からの郵便を不在通知のまま放置していたというケースは大いにあり得ます。

その場合、無意識のうちに時効の完成が猶予されてしまうのです。

3.時効援用の手続きを行う

時効の完成を確認した後、時効援用通知書を債権者に対して内容証明郵便で送付します。なお、記載するにあたって行数や字体などにルールがあるため事前に確認・把握しておきましょう。

主なルール
  • 縦書きの場合は1行20字以内・1枚26行以内
  • 記載日、債権者の住所・氏名、債務者の住所・氏名、時効完成により援用する旨を記載
  • 借金の契約内容詳細を記載

上記について詳しく記載すること、かつ文字数・行数を守らなければいけないため要注意です。

ポイント
特にフォーマットはないものの、必ず書かなければいけない項目やルールは定められています。

仮に守られていない場合は無効になってしまう可能性もゼロではないため注意してください。

作成に自信が無い場合、弁護士や司法書士に依頼しましょう。

4.時効援用通知書が債権者に届く

時効援用通知書が届いた後は、時効期間を満たしているか否かがチェックされます。満了でない場合、一括請求などのリスクがあるため計算は確実に実施してください。

自身での確認が不安な場合は、弁護士・司法書士への相談・依頼が無難です。不慣れな人の方が圧倒的に多いと考えられるため、知識がある人に任せることをおすすめします。

5.時効が成立する

確認の結果、満了していれば借金の時効成立です。成立後は、返済の要求に応じる必要はありません。

注意点
少しでも返済に応じるといけないため、独断で行動せず専門家からのアドバイスを受けましょう。

成立すると、一定期間経過後にブラックリストから情報が削除され、新たな借り入れができるようになる可能性もあります。

ただし、貸した側はお金が返ってこないリスクを避けるためにあらゆるアクションを起こすことから、時効を迎えることは決して簡単ではないと肝に銘じておきましょう。

借金の時効援用の費用はいくら?

借金の時効援用の費用はいくら

主に以下の費用がかかります。事前にチェックし、どれくらい必要かを把握しておきましょう。

費用
  • 内容証明郵便費用:1,279円程度~
  • 法律家への依頼費用:30,000円~60,000円程度

内容証明郵便費用に関しては、普通郵便費用84円~、内容証明郵便費用440円~、書留郵便費用435円・配達証明費用320円という内訳です。

なお、司法書士への依頼費用は35,000円程度~、弁護士への依頼費用は30,000円~60,000円程度が目安となります。

自分で手続きをする場合にかかる費用は配達証明郵便だけとなるため大幅に削減できる一方、書類作成や債権者との交渉などはすべて実施しなければいけません。

ポイント
法的な手続きに関する知識や交渉力に自信があれば問題ありませんが、ノウハウや経験値が浅い場合は、弁護士・司法書士に一任しておいた方が時間も労力も節約できるでしょう。

ただし、司法書士・弁護士への依頼費用は、各事務所や内容により大幅に異なる場合があります。そのため、事前に費用について確認しておくことをおすすめします。

さらに、弁護士と司法書士では対応できる業務範囲が異なるため、コストだけでなく依頼内容を照らし合わせ利用先を決めましょう。

また、生活保護受給中など費用の工面が難しい場合は、法テラスに免除になるか相談してみてください。

法テラスに費用を立て替えてもらい、免除となるか否かは審査のうえ決定することになります。

借金の時効援用を弁護士・司法書士に依頼するメリット

弁護士に依頼するメリット

弁護士へ依頼するにあたって、以下のメリットがあります。

主なメリット
  • 時効援用のアドバイスを受けれる
  • 法的な手続きを一任できる
  • 時効援用以外の解決方法も提案してもらえる

借金の時効成立は、返済義務から解放されるという大きなメリットがある一方で、手続きが複雑かつ専門的な知識を必要とします。

万が一失敗した場合、遅延損害金付きで借金を一括返済しなければならないというリスクを背負っているのです。

手続きを自身の知識のみで進めることは、大変なリスクを伴います。その点、弁護士に依頼すれば可能か否かを正しく判断してくれるでしょう。

ポイント
手続きには、必要書類や工程が多いです。不備があれば受理されない、あるいはお金を借りている側にとって不利な結果となる可能性は大いにあり得ます。

弁護士に依頼すると、法的な手続きを一任できるため安心です。通知書の記載内容やルールは複雑であるものの、代理で作成してくれるため最低限の手続きで済みます。

なお、時効は必ずしも完成するとは限りません。万が一、時効援用ができない場合は債務整理で解決できる可能性があります。

弁護士に依頼をすると、現時点での状況を踏まえたうえでどの債務整理がベストかを提案し、そのまま手続きや交渉に移ることも可能です。

さまざまな手段で借金問題を解決したい人は、弁護士への依頼が確実でしょう。

司法書士に依頼するメリット

司法書士に依頼することには以下のメリットがあります。

主なメリット
  • 書類作成を代行できる
  • 弁護士よりも費用を抑えられる

上述したように、手続きを進めるうえでさまざまな書類が必要です。自分で作成する時間や知識が無い場合は、最初から一任することをおすすめします。

依頼先として、弁護士の他に司法書士があります。司法書士への依頼費用は弁護士と比べて安い傾向にあるため、コストを抑えたい人は検討してみてください。

注意点
ただし、司法書士への相談はさまざまな制限があるため要注意。例えば元金140万円以上の借金の案件は、司法書士法第3条により受けられません。

また、司法書士は書類作成などの業務がメインとなるため、債務者の法定代理人にはなれず裁判所へ同行できません。

司法書士と弁護士の依頼できる業務範囲を事前に調べ、ニーズに合った方を選びましょう。

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借金の時効を成立させることは、専門的な知識がなければできません。したがって借金の時効をはじめとする借金問題の相談は、弁護士・司法書士事務所がおすすめです。

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まとめ

この記事では、借金の時効はいつ成立するか、時効援用や弁護士・司法書士に依頼するメリットなどを解説しました。

成立する時期は、返済期日または最後に借りた人に対して返済をした日から5年・10年が経ったときです。

なお、時効を迎えるには一定期間の経過に加え、手続きをきちんと完了する必要があることも理解しておきましょう。

弁護士や司法書士に依頼することで、手続きを任せられるうえ適切なアドバイスを受けられます。
おかねプロ 執筆者 小林

執筆者
おかねプロ 編集部
小林 まな
    

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