
「債務整理を検討しているけれど、どの手続きを選択すればよいかわからない」といった悩みを抱える方は少なくないでしょう。

今回は、債務整理の種類やメリット・デメリット、手続きの流れや費用について解説します。
- 債務整理の種類
- 【種類別】債務整理手続きのメリット・デメリット
- 【種類別】債務整理手続きの流れ
債務整理の費用相場やおすすめの弁護士・司法書士事務所も紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。
目次
債務整理にはどんな種類がある?
債務整理とは、借金の減額や支払い猶予などを目的とした手続きです。具体的には以下の手続きが挙げられます。
- 任意整理
- 個人再生
- 自己破産
- 過払い金請求
なお、過払い金請求を債務整理に含めない見解もありますが、今回は過払い金請求についても紹介します。
任意整理とは?
任意整理とは、裁判所を経由せずに債権者に直接利息カットや分割回数の変更などを交渉し、新たな返済計画を立てて債務を整理する手続きです。

将来利息
将来利息は、借金の返済を継続する場合に、完済するまで発生し続ける利息です。任意整理では、将来利息を中心に減額することが多いとされています。
遅延損害金
遅延損害金とは、借金の返済に遅れた場合に発生する損害金です。
ただし、クレジットカードの支払いが遅滞した場合の遅延損害金は年14.6%であり、借金滞納に課される遅延損害金とは取り扱いが異なるため、混同しないようにしましょう。
経過利息
経過利息は、借金を滞納した時から、債権者との和解が成立するまでに発生する利息を指します。
滞納期間が長いほど金額が大きくなる傾向にあり、数万円単位で請求されるケースも少なくないため、経過利息がカットされれば金銭的な負担を大きく軽減できます。

債権者からすれば、大きく膨れ上がった経過利息を減免することで利益が損なわれるため、交渉に応じたくないと考えるのが自然と言えます。
個人再生とは?
債務履行が困難な場合に、新たな返済額やスケジュールを記載した再生計画案を裁判所に提出し、認可が下りれば再生計画に基づき借金を減額できる手続きです。
債権者と債務者の権利関係を適切に調整し、当該債務者の社会生活を支援することが手続きの目的です。

小規模個人再生
小規模個人再生は、以下に挙げる要件を満たした場合に手続きが可能です。
- 債務者が法人ではない
- 継続的な返済が可能
- 住宅ローンを除く負債の合計額5000万円以下
- 再生計画に債権者の過半数が賛同
再生計画に沿った継続的な返済を可能にするだけの安定的な収入を得られる見込みがあることが前提条件になります。
返済能力の判断基準は、再生計画後およそ3年間の間、最低限の生活費を差し引いた収入が返済額を上回るか否かに照準を合わせるケース多いです。

なお、小規模個人再生では「最低弁済額」「清算価値」のうち大きい金額が弁済額に設定されます。
最低弁済額:債権額に応じて決まる、法律上最低限支払う義務があるとされる金額
清算価値:破産手続きをして保有財産を換価処分した場合に算出される金額
給与所得者等再生
給与所得者等再生は、債権者の同意がなくても手続きが可能です。
可処分所得は最低限の生活費を除いた収入を指し、多くの場合、「可処分所得2年分」が最も高額になるため、小規模個人再生に比べて弁済額が大きくなることがほとんどです。
債務者にとってメリットが大きい小規模個人再生が優先的に検討されるケースが多く、給与所得者等再生は次善策の位置づけとして考えられています。
自己破産とは?
自己破産とは、債務履行が不可能になった場合に、所有財産を現金化し債権者に分配する代わりに全ての債務を免除する手続きです。

ただし、ここで言う「債務履行が不可能」であるといったジャッジは主観的な判断に依拠するのではなく、あくまで裁判所に認められなくてはなりません。
自己破産には3種類が存在し、申し立て人の保有財産によって実施できる手続きが異なります。
同時廃止事件
同時廃止事件は、自己破産の開始と同時に「破産手続き」が終了する手続きであり、申し立て人が債権者に分配するだけの財産を所有していない場合に行われます。

管財事件
裁判所が選任する破産管財人によって、申し立て人の財産を換価処分することで債務を免除する手続きです。
詳しくは後術しますが、マイホームや自動車などの価値が高い財産は処分対象となる可能性が高いです。
少額管財事件
少額管財事件は管財事件の一種で、裁判所へ納める予納金を安く抑えることができる手続きです。
管財事件同様、破産手続きが行われますが、手続きの一部を弁護士が代行するため、破産管財人に支払われる報酬が少なくなり、結果的に予納金が安くおさまる仕組みです。
過払い金請求とは?
過払い金請求とは、債権者に対し法定利息を超過する金利で返済した過払い金の返還請求をする手続きです。
グレーゾーン金利での貸し付けが横行していた2006年1月13日以前に借入したことがある方は、返還請求できる可能性が高いと言えます。

かつて「利息制限法」と「出資法」の上限金利が乖離していたことで法廷金利が曖昧になり、これがグレーゾーン金利にまつわる諸問題を引き起こす要因になっていました。
そして、2006年1月13日に、裁判所は利息制限法の上限金利(年15~20.0%)を超える金利に基づいた借金返済分は、返還請求が可能であると判決を言い渡したのです。
【種類別】債務整理のメリット・デメリット
ここからは、各種債務整理手続きに共通するメリット・デメリットを記載したうえで、それぞれの手続き特有のメリット・デメリットを解説します。
債務整理に共通するメリット
任意整理、個人再生、自己破産に共通する最大のメリットは借金の減額や免除し、社会生活における再生を図ることができる点です。
そもそも債務整理を行うと、依頼した弁護士や司法書士から債権者に受任通知が送られ、債権者からの催促を止め、返済も一時的にストップさせることができます。自己破産においては、借金自体が免除になります。
最終的に借金が減額できることもあるため、借金問題に適切な対処をすれば借金を背負う前の社会生活を取り戻す第一歩となる、ということになります。

ただし、過払い金請求に関しては、その他債務整理手続きと趣旨が異なるため、後ほど詳しく紹介します。
債務整理に共通するデメリット
任意整理、個人再生、自己破産には、共通する以下のようなデメリットがあります。
- 信用情報に傷がつく
- 財産を処分・回収される可能性がある
- 保証人に一括請求が届く可能性がある
ひとつずつ解説していきます。
共通のデメリット①信用情報に傷がつく
任意再生、個人再生、自己破産に共通する最も顕著なデメリットは、債務の減免と引き換えに一定期間、信用情報に事故情報が登録されることです。
一般的には「ブラックリストに載る」と表現され、社会的な信用力が損なわれることを意味します。
手続き | 事故情報登録期間 |
---|---|
任意整理 | 約5年間 |
個人再生 | 約5~10年間 |
自己破産 | 約5~10年間 |
返済中の過払い金請求 |
借金が残る場合 :約5年間 借金が無くなる場合 :約1年間 |
事故情報登録期間中は、新規の借り入れができなくなるなど様々な弊害が生じます。

債務整理後、債権者は会社が独自に管理する信用情報に当該債務者を社内ブラックとして登録し、その後の取引を控えるのが一般的な対応と考えられていることが理由です。
共通のデメリット②財産を処分・回収される可能性がある
自己破産は、財産の換価処分と引き換えに債務を免除する手続きであるため、原則的に自由財産以外は処分されることとなります。

任意整理、個人再生では、債務整理手続きの一環として財産の換価処分が行われることはありません。
ただし、ローンの支払いが終わっていない物品に関しては、所有権のある会社に引き上げられるのが通常の段取りです。
共通のデメリット③保証人に一括請求が届く
いずれの手続きも、減免された債務は保証人が引き受けることになります。
任意整理では、分割での支払いが認められるケースもありますが、個人再生・自己破産では保証人に一括請求が行く可能性が非常に高いです。
「期限の利益」とは、期限内の支払いが困難な場合に、一定期間返済が猶予される権利を指します。
任意整理のメリット
- 裁判する必要がない
- 手続き費用が発生しない
裁判をせずに債権者との直接交渉で利息をカットできる点が大きなメリットです。裁判となれば、裁判所に納める費用が発生するうえ、手続きが長期化することは避けられません。
金銭的コストを抑えるという意味では、最もメリットの大きい債務整理手続きと言えます。
任意整理のデメリット
- 債権者の同意がなければ手続き不可
- 元本は減額できない
任意整理は、債務者が利息のカットを望んでも、債権者が応じなければ手続きを進めることは不可能です。
法律上の要件はありませんが、借金の滞納状況によっては債務者が同意しないケースも珍しくありません。
個人再生のメリット
- 借金の元本を減額できる
- 借金の要因により手続きが失敗することはない
- ローン返済中の住宅を手元に残しておくことができる
任意整理で可能なのは利息のカットのみですが、個人再生では元本を含め借金を減額できます。

ギャンブルへの行き過ぎた投資や、風俗での豪遊など、借金の要因が誠実とは言い難い内容であっても、それが理由で再生計画が却下されることはありません。
ローン返済中の住宅を手元に残しておくことができる
ローンの支払いが終わっていない物品は、所有権のある会社に引き上げられると述べましたが、個人再生ではローン返済中の住宅を手元に残しておくことが可能です。
民事再生法196条に規定された「住宅資金貸付債権に関する特則」では、個人再生後もローン返済を継続することで、住宅を手元に残しておくことが可能であるとしています。
出典:http://www.shakkinseiri.jp/juutakushikin/
個人再生のデメリット
- 返済額が高くなる可能性がある
- 官報に掲載される
個人再生は、所有する財産の合計額以上を返済しなくてはいけないという基本原則があります。
また、手続きの概要や氏名などが日本国の広報誌である「官報」に掲載されることで、周囲に手続きした事実を知られるリスクが生じることもデメリットと言えます。
自己破産のメリット
- 債務を全て免除できる
- 一部の財産は処分されない
債務の全てを免除できる点が最も大きなメリットです。債務者が知人であっても、消費者金融であっても、闇金であっても文字通り全ての債務を免除できます。

デメリットはありますが、新たな社会生活を1からスタートするための有効的な手続きでもあります。
一部の財産は残しておくことができる
前項で軽く触れましたが、自己破産では法律で所有することが許可された「自由財産」は手元に残しておくことができます。
自由財産には、具体的には以下のような財産が該当します。
- 破産手続き後に手に入れた財産
- 差押えが禁止された財産
- 例外的に所有が許可された財産
- 99万円以下の現金
- 破産管財人が換価処分を放棄した財産 等
衣服や寝具などの生活必需品は、原則差し押さえが禁止されています。
人間はそれぞれ、健康状態や年齢、生活環境が異なり「必要不可欠な財産とは何か」一律に定義することは困難であるため、申し立て人の申告によって特定の財産を残すことが出来るのです。

自己破産デメリット
- 破産手続き中は自由に行動できない
- 官報に掲載される
自己破産の大きなデメリットは、先に述べたブラックリストに登録されることや、財産が失われることですが、管財事件になった場合に手続き中の自由が制限されることも懸念点です。
この取り決めに基づき、破産手続き中は旅行や渡航の自由が失われることとなります。

過払い金請求のメリット
- 払いすぎた利息を取り戻すことができる
- 手続きしたことを周囲に知られにくい
- 借金を完済していれば、ブラックリストに登録されることはない
過払い金請求は、守秘義務を徹底した弁護士が債権者とのやり取りを代行してくれるケースが多いので、外部に情報が流出する心配はありません。
また、日本国の広報誌である官報に手続き概要が掲載されることもないため、裁判を起こさない限り、家族や親族、会社に知られるリスクはほぼ皆無に等しいと言えます。
過払い金請求のデメリット
借金を完済していれば、あえて言及するべきデメリットはほとんどありません。難点を挙げるとすれば、必ずしも満額回収できるとは限らないという点です。
そのため、過払い金請求の実績が豊富な弁護士と共に手続きを進めることがおすすめです。

【種類別】債務整理の手続きの流れについて
各種債務整理手続きを弁護士へ依頼した場合の大まかな流れを記載し、適宜補足していきます。
任意整理の手続きの流れ
- 弁護士・へ相談・委任契約
- 債権者へ受任通知を発送
- 取引履歴の開示請求
- 返済計画の作成
- 債務者との交渉
- 返済開始
委任契約は手続きを弁護士へ委託する契約、受任通知は手続きを開始する旨を債権者へ知らせる通知を指します。

個人再生の手続きの流れ
- 弁護士へ相談・委任契約
- 受任通知の発送
- 個人再生委員の選任
- 個人再生委委員との面談
- 履行可能性テスト
- 再生計画案作成・提出
- 再生計画案に沿って返済を開始
個人再生委員とは、個人再生の際に裁判所に選任される専門員であり、債務者の収入や財産の調査、適当な再生計画作成の補助を主な役割としています。
再生計画に基づき履行されるであろう債務をシミュレーションし、予測される弁済額の範囲内で個人再生委員に対して、約6か月間継続的に金銭を支払うことができるかがテストされます。
個人再生は債務者が一定水準以上の支払い能力を有することが必須条件となるため、履行可能性テストが芳しくなければ、再生計画は却下されるのが一般的な運用であると言えます。

自己破産の手続きの流れ
- 弁護士へ相談・委任契約
- 受任通知の発送
- 裁判所への申し立て
- 手続き開始決定
- 破産管財人による財産調査
- 処分する財産がない場合は同時廃止
- 処分する財産があれば管財事件
- 負債の要因や財産の調査
- 免責許可
破産管財人の役割や財産調査の意義については前述したため、ここでは割愛します。
過払い金請求の手続きの流れ
- 弁護士へ相談
- 債権者へ受任通知を送付
- 利息の引き直し計算
- 債権者へ過払い金返還請求書を送付
- 債権者が交渉に応じなければ訴訟提起
- 過払い金返還
「利息の引き直し計算」とは、借金の利息を法廷金利に合わせて計算し直し、過払い金額を算出することを言います。
引き直し計算で算出された過払い金の返還を請求する「過払い金返還請求書」を債権者に送付し、次に和解へ至るのが理想の流れと言えますが、実際にはそう簡単にいかない場合が多いです。
こういった場合には訴訟を提起する必要性が生じ、実際に裁判になればより多くの過払い金を回収することが期待できます。
【種類別】債務整理の費用相場について
債務整理の手続きをする際、費用について気になる人も多いのではないでしょうか。
ここでは、弁護士への依頼を想定し、手続き自体に発生する費用(裁判所費用)と、弁護士への依頼費用に分けて解説します。
任意整理の費用相場
任意整理は裁判に発展することはないため、弁護士への依頼費用が主です。
弁護士費用の内訳 | 費用相場 | 備考 |
---|---|---|
相談料 | 0~10,000円 | 法的トラブルを相談する際に発生 |
着手金 | 1件につき20,000~40,000円 | 弁護士の着手に際して発生 |
成功報酬 | 1件につき20,000円 |
手続きが成功した場合に発生 |
相談料を無料に設定している弁護士事務所も存在するので、複数の事務所に相談し、悩みに寄り沿ってくれる弁護士を探すのがおすすめです。
着手金に関しては、仮に手続きが失敗に終わっても手元に戻ってくることはないので、弁護士に本格的に依頼する際は慎重に検討しましょう。
個人再生の費用相場
個人再生の費用は裁判所と弁護士に支払う費用が主です。
裁判所費用の内訳 | 費用相場 | 備考 |
---|---|---|
収入印紙代 | 10,000円 | 手数料を支払うための証票 |
郵便費用 | 1,500円 | 裁判所からの郵送物の郵便代 |
官報広告費 | 13,000円 | 日本国の広報誌「官報」に掲載する費用 |
個人再生委員への報酬 | 150,000円~250,000円 | 個人再生委員を選任する場合に発生 |
東京地方裁判所においては個人再生委員の選任は必須であり、報酬は現金での一括納付が原則とされています。
弁護士費用の内訳は以下の通りです。
弁護士費用の内訳 | 費用相場 |
---|---|
相談料 | 0~1,000円 |
着手金 | 200,000~400,000万円 |
成功報酬 | 減額された借金の約10~20% |
弁護士事務所によって費用が異なるので、相談する際に料金体系についても確認しておくことがおすすめです。
自己破産の費用相場
自己破産の費用も個人再生同様、裁判所と弁護士に支払う費用が主です。
裁判費用の内訳 | 費用相場 |
---|---|
収入印紙代 | 1,500円 |
郵便費用 |
3,000円 |
官報掲載費 | 11,000円~20,000円 |
引継ぎ予納金 | 同時廃止 :20,000円 管財事件 :500,000円 少額管財事件 :200,000円 |
引継ぎ予納金は、弁護士を経由して破産管財人に引き継がれる予納金を指し、大部分は破産管財人の報酬に充てられます。
弁護士費用の内訳は以下の通りです。
弁護士費用の内訳 |
費用 |
---|---|
相談料 | 0~約10,000万円 |
着手金 | 約200,000~500,000万円 |
成功報酬 | 設定されていない場合が多い |
自己破産の申し立て人は、手続きの性質上経済的に困窮している方が大部分を占めるため、成功報酬を設定しない弁護士事務所も存在します。
過払い金請求の費用相場
弁護士費用の内訳は以下の通りです。
弁護士費用の内訳 | 費用相場 |
---|---|
相談料 | 0円~10,000万円 |
着手金 |
1件につき20,000万円 |
成功報酬 |
解決報酬金 |
過払い金報金は、債権者と交渉で和解した場合は返還額の20%、裁判になった場合は25%が上限とされています。
裁判所費用は以下の通りです。
裁判費用の内訳 | 費用相場 |
---|---|
収入印紙代 | 1,000~30,000円 |
郵便費用 | 6,000円 |
代表証明書 | 600円 |
収入印紙代は、請求額に比例して加算されていくのが原則です。
出典:杉山事務所
【種類別】それぞれの債務整理ができる条件を解説
債務整理の代表的な方法である、任意整理・個人再生・自己破産にはそれぞれ利用できる条件があります。それでは、各債務整理の利用条件を見てみましょう。
任意整理の条件
任意整理の利用条件は、以下の通りです。
- 安定した収入がある
- 3~5年で完済できる
- 返済計画を明確に示せる
任意整理は債権者と交渉し、利息を減額したり、返済期間を延ばしたりする方法です。債権者に迷惑をかけるため、任意整理後の完済が必要となります。
よって、任意整理をおこなうには、安定した収入や返済計画を示さなければなりません。

個人再生の条件
個人再生の利用条件は、以下の通りです。
- 借金減額後に継続して返済できる
- 債権者の過半数が個人再生に同意している
- 借入総額が5,000万円以下(利息制限法の引き直し計算後)
- 手続き期間中に不正行為をしていない
個人再生では、最大で借金を9割減額できますが、利用するには債権者の過半数から同意を得る必要があります。借金の合計額が5,000万円以上ある場合、個人再生はできません。
自己破産の条件
自己破産の利用条件は、以下の通りです。
- 支払不能を証明できる
- 免責不許可事由に該当していない
支払不能とは、客観的にみて返済能力がなく、継続的な支払いができない状態を意味します。
免責不許可事由には、以下が当てはまります。
- ギャンブルや浪費による借金
- 過去7年以内に自己破産で免責を受けた
- 特定の債権者が有利になるような支払いをした
- 財産を不当に安い価格で売却した
- 自己破産手続きを妨害した
- 嘘の申告をした
- 税金や罰金、損害賠償金などの借金
なお、免責不許可事由に該当しても、裁判所から裁量で自己破産が認められる場合もあります。
どの種類の債務整理を選ぶべき?選び方を解説
次は、任意整理・個人再生・自己破産が適している状況を紹介します。スムーズに手続きを進めるためにも、自分にどの債務整理が合っているのかある程度把握しておきましょう。
任意整理が適している場合
以下の場合、任意整理が適しています。
- 債務額が少ない
- 最低限の返済能力はある
- 借金の事実を家族に隠している
利息制限法を超える利息での取引がない限り、債務額を大幅に減らすことはできず、原則としてローン残高がそのまま残ります。
多額の借金があると、原則として全額の支払いが必要なため、債務額が目安で300万円以下の場合、任意整理が適しているといえるでしょう。
任意整理後、債権者に対して3~5年間は継続的に返済しなければなりません。よって、無職でまったく収入がない場合、任意整理の利用は難しいといえます。
個人再生や自己破産と異なり、任意整理では裁判所に通う必要がなく、自宅の財産が処分されることもありません。よって、家族に借金の事実を隠したい場合に適している債務整理といえます。

個人再生が適している場合
以下の場合、個人再生が適しています。
- 大幅に借金を減らしたい
- ギャンブルや浪費による借金
- 公務員や警備員などの職業に就いている
個人再生は、自己破産のようにすべての借金をなくすわけではなく、借金の元本を大幅に減らし、分割で返済する方法です。
自己破産は免責不許可事由に当てはまる場合、申立しても借金が整理できない可能性が高いといえるでしょう。
一方、個人再生には免責不許可事由の決まりがないため、借金の理由に関係なく手続きできます。
また、自己破産は手続き開始から免責許可を受けるまでの間、特定の職業や資格に制限が発生。公務員や警備員などの職業に就いている人は、一定の期間は仕事ができません。

自己破産が適している場合
以下の場合、自己破産が適しています。
- 無収入または収入が少ない
- 経済的に早く立ち直りたい
収入がない場合、任意整理や個人再生の利用は難しいといえます。債務額が多くなくても、収入が少ないと、長期的な返済により生活が苦しくなる可能性があるでしょう。
どの種類を選ぶべきか迷ったら弁護士への相談がおすすめ
債務整理手続きは、収入や財産の保有状況、目指す状態によって選択するべき手続きが異なります。
自分で手続きを行うことも可能ですが、書類の準備作成、債権者とのやりとりなどを滞りなく進めるのは容易なことではありません。

弁護士へ相談・依頼するメリットは以下の通りです。
- 自分に合った手続きを提案してもらえる
- 手続きを代行してもらえる
- 免責許可が得られやすい
自分に合った手続きを提案してもらえる
弁護士は、法律に関する豊富な知識や、多くの方の債務整理を代行した経験があるため、依頼者にとって最も適切だと考えられる手続きを提案できます。
手続きを代行してもらえる
弁護士へ依頼すれば、書類の準備や作成、債権者、裁判所とのやりとりを代行してもらえます。
また、弁護士の手続き着手に際して、債権者宛てに受任通知が発送され、以降債務整理が終了するまで返済と催促を止めることができるのも大きなメリットです。
免責許可が得られやすい
任意整理を除いた債務整理手続きは、裁判に発展するのが一般的です。
裁判になれば、必然的に裁判官とやりとりする必要性が生じ、そこで心証を悪くしてしまえば、手続きに至る正当性があったとしても免責許可を得られない懸念があります。
裏を返せば、仮に免責不許可事由があったとしても裁判官に反省の意が伝われば、必ずしも不認可になるわけではないということが言えます。

債務整理の相談におすすめの弁護士・司法書士事務所5選
東京ロータス法律事務所
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東京ロータス法律事務所は、債務整理事案を数多く手がけた実績があるので、ノウハウを持っており、ひとりひとりの事情に応じた解決策を提案してくれます。
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相談料 |
無料 | ||
---|---|---|---|
任意整理の費用 |
着手金・報酬金:22,000円 減額報酬:11% |
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自己破産の費用 | 着手金・報酬金:220,000円~ | ||
個人再生の費用 | 着手金・報酬金:330,000円~ | ||
過払い金の費用 |
着手金・報酬金:無料 過払い金報酬:返還額の22% |
||
所在地 | 東京都台東区東上野1丁目13番2号成田第二ビル2階 | ||
主な対応業務 | 債務整理・交通事故・労働問題・債権回収・相続問題・不動産トラブル |
出典:http://tokyo-lawtas.com/ ※価格は全て税込です。
ひばり法律事務所
- わかりやすいコラムで予備知識を得られる
- 25年以上の実績のある弁護士が運営
- 女性の弁護士が在籍している
ひばり法律事務所は、2020年7月に個人事務所「名村弁護士事務所」から弁護士法人事務所「ひばり法律事務所」に組織変更した法律事務所です。
「ご相談者様の立場に立って、親身になって業務をすること」を基本理念として掲げており、一人ひとりに合った解決策を提案してくれます。

相談料 | 無料 | ||
---|---|---|---|
任意整理の費用 | 着手金・報酬金:22,000円 | ||
自己破産の費用 | 着手金・報酬金:220,000円~ | ||
個人再生の費用 |
着手金:330,000円~ 報酬金:220,000円~ |
||
過払い金の費用 |
着手金:0円 報酬金:0円~ 成功報酬:回収金の22%(訴訟は27.5%)+実費 |
||
所在地 | 東京都墨田区江東橋4丁目22-4 第一東永ビル6階 | ||
主な対応業務 | 借金問題・サイト被害・離婚・相続 |
出典:https://www.hibari-law.net/ ※価格は全て税込です。
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相談料・着手金 | 無料 | ||
---|---|---|---|
任意整理の費用 |
基本報酬:20,000円〜 減額報酬:減額できた金額の10% |
||
自己破産の費用 | 報酬:30万円~(少額管財事件は+20万円~) | ||
個人再生の費用 | 報酬:35万円~(再生委員に支払う費用+20万円~) | ||
過払い金の費用 |
基本報酬:無料 過払い報酬:取り戻した過払い金額の20%。※10万円以下の場合は12.8%(+1万円の計算費用) |
||
所在地(東京本店) | 東京都杉並区荻窪5-16-12 荻窪NKビル5階・6階 | ||
主な対応業務 | 債務整理・過払金請求・登記業務 |
出典:https://hatano-saimuseiri.net/lp4_aff/ ※価格は全て税込です。
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相談料 | 無料 | ||
---|---|---|---|
任意整理の費用 |
着手金:55,000円〜 報酬金:11,000円〜 減額報酬金:減額分の11% |
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自己破産の費用 |
着手金:33万円〜 報酬金:22万円〜 |
||
個人再生の費用 |
着手金:33万円〜 報酬金:33万円〜※住宅なし:22万円〜 |
||
過払い金の費用 |
着手金:無料 解決報酬金:22,000円 過払報酬金:返還額の22%(訴訟:27.5%) |
||
所在地(西新宿オフィス) | 東京都新宿区北新宿2-21-1 新宿フロントタワー14階 | ||
主な対応業務 | 債務整理・交通事故・相続・離婚 |
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---|---|---|---|
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着手金:55,000円~ 和解報酬:11,000円~ 減額報酬:減額分の11% 過払い報酬:返還額の22%※訴訟の場合は27.5% |
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自己破産の着手金 | 605,000円~ | ||
個人再生の着手金 | 715,000円~※住宅ローンなし:605,000円~ | ||
過払い金の成功報酬 |
着手金:無料 報酬金:返還額の22%※訴訟の場合は27.5% |
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所在地 | 東京都中央区日本橋堀留町2-3-14 堀留THビル10階 | ||
主な対応業務 | 債務整理・交通事故・相続・離婚・労働紛争 |
出典:公式サイト ※価格は全て税込です。
よくある質問
まとめ
今回は債務整理の種類やメリット・デメリット、手続きの流れ等を解説しました。
自分に合った手続きを選択するにはそれぞれの特徴をしっかりと把握することが大切です。
費用を極力抑えたい方は任意整理、財産を残しつつ元本ごと借金を減額したい方は個人再生、債務を全て免除したい方は自己破産がおすすめです。

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