
クレジットカードを選ぶ際、還元率が気になる人は多いのではないでしょうか。カードの種類によってはポイントの取り扱いは複雑なため、事前によく調べておきたいところです。
大手クレジットカードブランドJCBが提供するオリジナルカード「JCB CARD W」もその一つ。
そこで今回の記事では、JCB CARD Wの特徴やデメリット、審査の流れ、ポイント交換などについてたっぷりと解説します。
ポイント還元率の詳細やその他の特徴、同系統の「JCB CARD W plus L」との違いなどを紹介します。他のカードと比較する際に参考にしてください。
※情報は2021年3月23日現在のものです。
目次
JCB CARD Wの基本情報
JCB CARD Wは18歳~39歳を対象とした年会費無料のクレジットカードです。ポイント還元率はJCB一般カードの2倍である1.0〜5.5%(ポイントの利用方法により異なります)。
さらに利用するお店によっては5%以上の高還元率になります。セキュリティーや付帯サービスも大手ならではの充実ぶりで、お得なキャンペーンも見逃せません。※1
※1JCB公式サイトの表記には「JCB カード W」と「JCB CARD W」の2種類がありますが、ここでは後者の「JCB CARD W」に統一します。
ポイントと付帯保険以外の部分におけるJCB CARD Wの特徴をお伝えします。
JCB CARD Wに入会できるのはどんな人?
JCB CARD Wの入会申込には年齢制限があり、18歳以上40歳未満でなければなりません。学生も申込可能ですが、高校生は対象外です。
大学生や専門学校生でもアルバイトなどの稼ぎがあったり、結婚していて相手に収入があったりすれば、カードを発行できる見込みがあります。
年齢制限はあくまでも申込時点の話です。入会後に40歳の誕生日を迎えてもJCB CARD Wを継続できますのでご安心下さい。
- 18歳~39歳
- 高校生は不可
- 自分または夫(妻)に安定した収入がある
JCB CARD Wの入会時に必要なもの
ここから先は、この記事をご覧になっている10~30代の人にとってはほとんど問題にならないはずですが、念のため記載します。
まず、インターネット環境が必要です。JCB CARD Wには「Web申込限定」という特徴があります。利用開始後も明細が紙で送られて来ないため、閲覧の際はWeb明細を参照しなければなりません。
また初期設定で支払口座を紐づけるため、設定可能な金融機関に口座を持っていなければなりません。ほとんどの都市銀行や地方銀行、ネット銀行、労働金庫などが対象ですが、信用金庫や信用組合は対象外です。
- インターネット環境
- オンライン手続きができる都市銀行や地方銀行、労働銀行などの口座
JCB CARD Wの利用限度額は?
一般的に、クレジットカードにはショッピング枠とキャッシング枠それぞれに利用限度額があります。
JCBカードの場合、通常のショッピング枠における上限は公表されていません。キャッシング枠は最大で100万円です。
利用限度額は審査申込後に個別に設定されます。会員サイトで自分の限度額や残高が確認でき、増枠の申し込みも可能です。
個人におけるショッピング枠の最大値は支払可能見込額と呼ばれ、次の計算式で求めることができます。※3
※3https://www.j-credit.or.jp/customer/sales_law/pdf/sales-law3_2013.pdf
実際に支払い可能見込額を計算してみよう
生活維持費は人数や居住地などによって自動的に決まります。例えば東京23区にマンションを借りて一人暮らししている人の場合、116万円です。クレジット債務は他社を含めた利用中のクレジット残高を指します。
仮に、JCB CARD Wに申込をした時点で他社のカードを利用しており、次月以降の支払予定額が5万円で確定しているとしましょう。この場合、クレジット債務は5万円となります。
上記の例で年収321万円の人であれば、支払可能見込額は次のとおりです。
ただし、これはあくまでも法律(割賦販売法)によって決められた上限です。クレジットカード会社が指定する限度額や個別審査による結果がもっと低い金額であれば、それに従います。
キャッシング枠にも法律上の上限があり、年収の3分の1までとなっています。いわゆる総量規制です。
また、 JCBカードはショッピング1回払いに限り一時的に増枠する一時増額という制度があります。Webで申込できる上限は500万円ですが、それ以上も相談は可能です。
JCB CARD Wの追加カード
JCB CARD Wは次の3種類のカードを追加できます。
- ETCカード
- 家族カード
- QUICPay
ETCカードは年会費無料です。WEBで申し込むことができます。
家族カードは同一世帯の配偶者や親、子供などに発行できるカードです。支払いは本人カードと合算されます。本会員と同様、18歳未満の人や高校生は対象外です。
QUICPayはあまり聞きなれない人もいるかもしれません。スマートフォンにクレジットカードを登録することで、簡単に支払いができるサービスです。
JCB CARD Wのセキュリティーについて
クレジットカードを利用するにあたって心配されることの1つに、カードの紛失があります。
一般社団法人日本クレジット協会の調査報告書「クレジットカードについて心配・不安なこと※2」という問いに対して「盗難・紛失によるカードの悪用」と答えた人が57.5%と最多でした。
※2https://www.j-credit.or.jp/information/download/consumer_investigation_r01_2.pdf
JCBカードでは次のようなセキュリティー対策がとられています。
- 「JCBでe安心」制度
- 安心お知らせメール
- 紛失・盗難サポート
- 不正検知システム
では、ひとつずつ順に解説していきましょう。
「JCBでe安心」制度
インターネットショッピングや通信販売の会社等から身に覚えの無い請求が来たときに、支払いを取り消す制度です。該当する明細の発行から60日以内にカード会社に届け、調査を受けた上で適用されます。
安心お知らせメール
あらかじめ設定しておいた利用額を超えるとメールで通知が来る仕組みです。
紛失・盗難サポート
カードをなくしたり盗まれたりした日以降の請求をJCBが負担します。
不正検知システム
JCBのスタッフが利用状況を常に監視し、怪しい取引があったら一時的にカードを使用不能にして本人に通知するサービスです。怪しい取引とは普段の利用方法とは明らかに違う動きのことをいいます。
例えば短い時間に複数の高額商品が買われていたり、同じ店で不自然に連続して買い物していたりなどです。
JCB CARD Wのメリット
- 年会費永年無料
- 最短5分でカード番号発行
- ポイントいつでも2倍で還元率がとにかく高い!
年会費永年無料
最短5分でカード番号発行
さらに、ナンバーレスもしくはモバ即での申し込みの場合、最短5分でカード番号が発行されます。
申し込みのフローは全てWEB完結のため、いつでもどこでも好きなタイミングで申し込めるのも特徴で、本人確認書類は運転免許証やマイナンバーカードをアップロードするだけです。
ポイントいつでも2倍で還元率がとにかくか高い!
JCB CARD Wの大きなメリットが還元率の高さです。JCB CARD WはOkiDokiポイントという独自のポイントが支払いごとに貯まります。
ポイントはいつでも2倍でパートナー店利用の場合は最大11倍までポイントが貯まるため、上手に活用するとお得にショッピングができるようになります。
JCBには「オリジナルシリーズパートナー」という提携事業者がおり、そこでの買い物はポイントが優遇されます。ポイント還元率が特に高い加盟店は以下の通りです。
- ビックカメラ
- amazon.co.jp
- 高島屋
- セブン-イレブン
- ウエルシア
- スターバックス
- ドミノ・ピザ
- 出光昭和シェル
- タイムズパーキング
- 成城石井
- 洋服の青山
JCB CARD Wのデメリット
JCB CARD Wには他のカードと比較して、わずかながらデメリットといえる部分があります。
有料カードとの付帯保険を比較しよう
多くのクレジットカードには自動的に保険が付帯されます。JCB CARD Wは海外旅行傷害保険が最高2,000万円、ショッピングガード保険が最高100万円と比較的シンプルな設計です。
カードの種類 | JCB CARD W | JCB一般カード | ライフカード (旅行傷害保険付き) |
三井住友カード |
海外旅行傷害保険 | 2,000万円(利用付帯) | 3,000万円(利用付帯) | 2,000万円 | 2,000万円 |
国内旅行傷害保険 | ー | 3,000万円(利用付帯) | 1,000万円 | ー |
国内・海外航空機遅延保険 | ー | ー | ー | ー |
ショッピングガード保険 | 100万円 | 100万円 | 300万円 | 100万円 |
年会費(税込) | 無料 | 1,375円 | 1,375円 | 1,375円 |
高いグレードのクレジットカードも含めて比較すると補償が厚いとはいえませんが、年会費無料のカードとしては標準的です。むしろ手厚いほうといえます。
海外旅行傷害保険は、クレジットカードで交通費やツアー旅行代金を支払った場合に適用されます。
また、ショッピングガード保険とは、クレジットカードで購入したものが一定期間内に盗難されたり破損したりしたときに補償を受けられます。
ライフスタイルによってはポイント還元が少ないことも
利用シーンによっては、他のカードのほうが多くのポイントを獲得できる可能性があります。
例えば高還元率でよく知られている楽天カードの還元率は通常1%、楽天市場で買い物をすると3%です。普段からAmazonやスターバックスなどの利用が少なく、楽天市場をよく使う人にとっては、こちらのほうがお得かもしれません。
JCB CARD Wの審査難易度を解説
JCB CARD Wは審査難易度がそこまで高くないカードです。理由としては学生でも審査通過が望めるためです。学生は収入を持っていない人が多く、家族などが支払いを担当することとなりますが、こうした状況でも審査通過を認めているためです。
本来は収入をしっかり持ち、クレジットカードの支払い条件を確保できる人に審査通過を通知します。
JCB CARD Wは18歳から39歳という若い人に利用してもらうため、どうしても審査難易度を上げるわけには行かないのです。その結果、比較的審査を通過しやすいカードとなりました。
審査難易度はあまり高くないカードで、更に収入の要件も定められていないことから、JCB CARD Wは審査を通過しやすいカードと言えるでしょう。
ただ、審査を通過できないような申込内容を作ってしまうと審査落ちとなるため、安心して審査を通過できる状況を作り出す必要があります。
JCB CARD W plus Lも審査条件は同じ
女性向けに作られているJCB CARD W plus Lもありますが、審査条件は同じです。女性向けに審査基準を緩くしているということもなく、女性用の特典が多く準備されているために審査基準を厳しくしているというわけでもありません。
JCB CARD W plus Lは若い女性にも保有しやすいカードと言えます。収入をあまり持っていない女性でも審査を通過して、保有できるカードとなるためです。
なかなかクレジットカードの審査を通過できずに苦労している人は、JCB CARD W plus Lを検討してもいいでしょう。
JCB CARD Wはプロパーカードだが審査難易度は低い
JCB CARD WはJCBが発行しているプロパーカードです。
基本的にプロパーカードは審査基準が厳しい傾向にあり、問題を起こしている人に利用させない方針を採用しています。しかし、JCB CARD Wは審査基準があまり厳しくないため、利用しやすいカードとなっています。
プロパーカードでも審査基準が緩くなっている背景には、若い人にJCBカードを保有してもらいたいという願いがあります。多くの人に利用してもらうことで、JCB側の収入を増やしたい狙いも隠されているのです。
JCB CARD Wの入会方法 審査落ちするパターンは?
前述の入会資格(39歳以下、高校生を除く18歳以上、安定した収入がある)があれば、インターネットでいつでも入会申込ができます。
- WEBから申込
- オンライン口座設定
- 審査
- カードが届く
滞りなく進めば、通常は1週間ほどでカードが手元に届きます。
「審査落ちしてしまうのではないか」と心配になる人もいるかもしれません。審査基準をお伝えしたいところですが、残念ながら他のカード会社と同様、非公表です。
一般的には収入や過去の延滞記録、現在の借入状況などを総合的に見て判断されます。
JCB CARD Wのポイント交換はポイントサイトを使おう
JCB CARD Wのポイント還元率は利用方法によって異なると述べました。これはポイント交換できる商品がさまざまあり、それぞれ交換率が異なるからです。
ポイントの名称も独特で、独自のポイントサイトがあるため、少し複雑に感じるかもしれません。
Oki doki ポイントとは
JCBのクレジットカードを利用して貯まるのは、同社が運営する「Oki doki ポイント」です。
Oki DokiポイントはJCB会員サイトの「MyJCB」から商品や他社のポイントに交換できます。交換率は次の通りです。
ここに示したのは一部であり、他にもたくさんの交換先があります。
交換先 | 必要ポイント | 受取額(円換算) | 交換率 | ポイント還元率 ※ |
キャッシュバック (支払に充当) |
1ポイント | 3円 | 3倍 | 0.6% |
nanacoポイント
JCBプレモカード |
1ポイント | 5円 | 5倍 | 1.0% |
JCBギフトカード | 1,050ポイント | 5,000円 | 4.76倍 | 0.95% |
Pontaポイント
dポイント |
1ポイント | 4円 | 4倍 | 0.8% |
Amazonパートナーポイントプログラム | 1ポイント | 3.5円 | 3.5倍 | 0.7% |
楽天ポイント
ANAマイレージ JALマイレージバンク |
1ポイント | 3円 | 3倍 | 0.6% |
※1,000円の買い物につき2ポイント受け取ったとして計算(JCB CARD Wの通常利用)
ポイントサイトの使い方
JCBはポイント優待サイト「Oki doki ランド」を運営しています。このサイトを通じてJCBカードで買い物をすると、ポイントをお得に貯められる場合があります。
JCB CARD WとJCB一般カードの違い
JCBには一般カードと呼ばれるものもあります。ここでは、JCB CARD WとJCB一般カードには具体的にどんな違いがあるのかを解説します。
まず、JCB CARD W とJCB一般カードそれぞれの基本情報を比較した表は以下のようになります。
JCB CARD W | JCB一般カード | |
年会費 | 無料 | 1,375円(税込) |
ポイント還元率 | 1% | 0.5% |
旅行損害保険 | 海外:最高2,000万円 国内:- |
海外:最高3,000万円 国内:最高3,000万円 |
家族カード | 無料 | 440円(税込)※本会員の年会費が無料の場合、家族会員も無料 |
ETCカード | 無料 | 無料 |
申し込み資格 | 18歳〜39歳の方(高校生を除く) | 18歳以上の方(高校生を除く) |
上記の表から、両カードの大きな違いとなるのは「年会費」「ポイント還元率」「旅行損害保険」「申し込み資格」の4つと言えます。
年会費の面では、JCB CARD Wは永年無料になります。また家族カード・ETCカードも無料であるため、JCB一般カードよりも低コストで利用可能です。
ポイント還元率では、JCB CARD Wが常にJCB一般カードの2倍となっており、JCB CARD Wの方がお得です。一方、旅行損害保険については、JCB一般カードの方が充実した内容となっています。
最後に申し込み資格については、JCB CARD Wが「18歳以上39歳以下」、JCB一般カードは「18歳以上」となっています。
一方で、JCB一般カードでは年間の利用額に応じて次年度の還元率アップ制度もあります。そのため、40歳以上で旅行が好き、年間50万円以上利用するといった方はJCB一般カードがおすすめです。
女性には「JCB CARD W plus L」がおすすめ
JCB CARD Wには、通常の「JCB CARD W」と「JCB CARD W plus L」の2種類があります。
JCB CARD W plus Lとは
JCB CARD W plus LはJCB CARD Wの女性版という位置づけです。女性向けとは言え、男性でも入会できます。JCB CARD Wにはないサービスを受けられるのが特徴です。
JCB CARD W plus Lと通常のJCB CARD Wとの違い
JCB CARD W plus LはJCB CARD Wと次の点で異なります。
- カードのデザイン
- 女性向け優待・情報サイトが利用できる
- 女性疾病保険に加入できる
JCB CARD Wのカードは重厚なブルー系のメタリックカラーです。 一方、JCB CARD W plus Lは草花風のパターンをあしらったピンク色の可愛らしいデザインとなっています。
JCB CARD W plus Lの会員は「LINDAリーグ」というサイトを利用できます。これは美容関連や旅行などの優待情報などを受け取れるサイトです。
他の基本的な内容は変わりません。
よくある質問
まとめ
ポイントの仕組みを中心に、JCBのオリジナルクレジットカード「JCB CARD W」と「JCB CARD W plus L」の特徴を紹介しました。
ポイント還元率はnanacoポイントなどに交換した場合、通常の買い物で1%になります。買い物したお店によって得られるポイントは変わり、スターバックスコーヒーやAmazonなどの人気店でもポイントをもらうことが可能です。
よって、これらのお店のヘビーユーザーにとって、入会を検討する価値があると言えるでしょう。付帯保険やセキュリティー対策などの基本的なスペックも他の会費無料のカードと比べて遜色なく、広くおすすめできるカードです。